映画や音楽は勝手に僕を刺激してくる。待っていればある程度は楽しめるのである。ところが絵だとそうはいかない。彫刻もそうかもしれない。待っていても退屈なのである。こちらから歩み寄らないと駄目なのだ。映画や音楽は第一に消費者のことを考えて作られる。どうすれば売れるか、受けるかと。絵はどうなのだろう。同じ芸術という枠で囲ってみると、絵は「お前ら来るなら来い。」といったように身勝手で強気な芸術といえるかもしれない。わからないが。絵やその業界のことは全く知らないで言っているのだが。今日考えていたことは、人々は絵を見ることに何を求めているのかということだった。都内では美術館は平日でも毎日それなりに混雑している。絵は長年ブームなのである。
でも分からない。絵は感動を呼ぶのだろうか。 その熟練に圧倒されることはある。絵描き自身の人生やその絵が生まれる過程を知った上でなら結果としての絵に感動するのかもしれない。でも絵そのものに心打たれたことは無いのである。ロンドンでダヴィンチの絵を観て感激したことがある。あれは、錚々たる絵描きの中でダヴィンチが最も本物の人間に近い人間を描くことが出来るということを実感したからであった。誰が一番上手に人間を描くことが出来るかというコンテストの勝者を賞賛しただけなのであった。 絵を描く人は何を考えているのだろうか。 僕も幼少の頃はクレヨンを与えられ、何か描いたのである。その時の思いは大変貴重なものなのだが残念ながら僕はもう思い出せない。描きたいから描くのか。絵描きはそういう血のもとに生まれたのだな。観たいから観ればいいのだな。答えは無いけれど、絵への疑問を持って来月は絵を観にゆこうと思う。
by mooonriders
| 2006-09-30 01:22
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